Online eBook Library
(class:authorbox)
著者:Katherine Dolbec and Joe Ravera
翻訳:森川華也子(トヨタ記念病院 救急科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
橈骨頭骨折は,一般的には手を伸ばした状態で転倒した際に起こり,肘の痛みや,伸展,回内,回外における可動域が制限される.単純X線検査ではわかりにくい場合もあるが,「セイルサイン(sail sign)」の存在が観察されれば骨折の存在を示唆する.転位のない骨折や転位の少ない骨折の場合,治療には市販の鎮痛薬,三角巾による快適性の確保,早期運動療法等がある.転位骨折には整形外科的介入が必要な場合がある.
 
キーワード
肘の関節液
肘の損傷
骨折
蝶番関節
橈骨頭
橈骨頭骨折
脂肪体(Fat pads)

臨床像  
    患者は手を伸ばした状態で転倒し,来院する.肩関節,手関節,手部には痛みを伴わないが,慎重に診察すると,肘関節に疼痛がある.肘窩部に腫脹が認められることがあり,肘関節を完全に曲げることができる場合もあるが,前腕の伸展,回外,回内を行う際に痛みを伴い,可動域も減少している.肘関節を完全に伸ばすことはできない.橈骨頭の圧痛が最も強い.X線写真では橈骨頭の骨折が認められることもあるが,認められないことも多い.X線写真では,側面像で,肘の関節液の貯留または関節内血腫によって後方の脂肪体(fat pad)が肘頭窩から押し出され,前方の脂肪体が正常な位置から外れていることがわずかにわかることがある(125.1).橈骨の中心を通る線が外顆の上腕骨小頭を通ることを確認し,転位がないことを確認する.
    閲覧にはご購入・ログインが必要となります。

    ご購入はこちら
    ログインする