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著者:Katie M. Wells and Deborah Governale
翻訳:後藤縁(名古屋掖済会病院 救急科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
急性鼻副鼻腔炎は,副鼻腔の炎症のうち,持続期間が4週間未満のものと定義される.副鼻腔炎は米国における最も一般的な主訴の1つである.多くは対症療法で治癒するが,抗生物質が必要となる場合もある.
 
キーワード
顔面の詰まり感
化膿性の鼻汁
鼻副鼻腔炎
副鼻腔炎
副鼻腔の圧痛
片側性の顔面痛

臨床像  
    ウイルス感染症後の患者や慢性アレルギーのある患者は,鈍い顔面痛を訴えることがある.通常,この痛みは片側性で,数日かけて徐々に増強し,急な頭位変換や頭を下げてかがむような姿勢で増悪する.痛みは(上顎洞を介して)上顎臼歯に放散し,(篩骨洞を介して)眼球運動に伴って増強することがある.しばしば顔面のうっ血や詰まり感を自覚する.小児では,咳,鼻汁,口臭があることが多い.患者の声は鼻が「詰まっている」人のような声質があり,口臭や嗅覚の低下を訴えることがある.滲出性中耳炎や耳管機能障害に関連して,耳の閉塞感や聴覚低下がよくみられる.色のついた鼻汁は,特に感度の高い所見である.発熱は急性感染症の患者の半数にしかみられず,通常は微熱である.高熱や激しい頭痛は,髄膜炎等の重篤な合併症や,まったく別の疾患を示唆する.急性期診療において,副鼻腔の透光試験の意義は乏しい.上額洞,前頭洞,両眼の間(篩骨洞)を軽く打診したりしっかりと触診したりすると圧痛が生じることがある.腫脹や発赤を認めることもある.鼻甲介の下(中鼻道が最も多い)に膿が排出されるのが見えることがあり,その膿は黄緑色の化膿性分泌物であったり,鼻からの悪臭のある分泌物であったり,後咽頭に流れたりする.
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