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著者:Evie Marcolini and Matthew S. Siket
翻訳:須網和也(名古屋掖済会病院 救急科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
心因性非てんかん発作患者の評価と管理,てんかん性発作患者との臨床像の違いについて説明する.
 
キーワード
てんかん発作
ヒステリー発作
非てんかん発作
心因性非てんかん発作
心因性非てんかん痙攣
偽痙攣
心因性痙攣

臨床像  
    心因性非てんかん発作,心因性非てんかん痙攣としても知られる.患者は,強直間代性痙攣発作様の行動を主訴に,または診察途中でその行動に移行することがある.性的虐待,摂食障害,うつ病,薬物乱用,不安障害,人格障害の既往を有することがあり,ストレスの多い出来事が先行する場合もある.“偽てんかん発作”や“ヒステリー発作”という用語は時代遅れで,医療関係者が発作について,偽りで,自発的な行動と捉えているという認識を患者に与える可能性があるため,逆効果と考えられている.頭を左右に振ったり,骨盤を突き出したりすることは,心因性非てんかん発作ではよくみられることではあるが,最初から患者が真のてんかん発作を呈しているかどうかを判断することは難しいだろう.真のてんかん発作の場合,腹部収縮はあり,角膜反射がないことが多いが,心因性非てんかん発作の場合は角膜反射があり,腹部収縮がないことが多い.患者の全身状態やバイタルサインは正常で,気道閉塞はみられない.意識は部分的に保たれることが多く,時には発作後に意識が非常に早く回復することもある.典型的には,患者はまばたきを繰り返し,開眼に抵抗を示す.閉眼状態で,急速な眼球運動(衝動性眼球運動)がみられる場合,意識は覚醒している.一方,ゆっくりとした,定まらない眼球運動がある場合,意識レベルが低下している可能性がある.発作中に患者が泣きだすことがあれば,てんかん発作を否定する論拠となる.痙攣中に閉眼していれば,心因性非てんかん痙攣の信頼性の高い指標であり,痙攣中に開眼していれば,てんかん性痙攣の指標となる.心因性非てんかん発作では,便失禁や尿失禁,自身で引き起こした外傷,舌側面の咬傷は通常みられない.真の発作ではほとんどの場合,発作後意識障害や反応性の変化を伴う.てんかん発作時には,伸展性足底反応がしばしばみられるが,心因性非てんかん発作では屈曲性である.疼痛刺激は,発作の識別に有用ではない.その他の身体診察所見は正常である.
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