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著者:Mark Bisanzo and Kurt Eifling
翻訳:後藤大輔(東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
救急医は,皮膚や軟部組織の細菌感染症患者を日常的に診察している.非膿瘍性皮膚感染症に対する臨床的アプローチ,評価と治療について説明する.
 
キーワード
血液中毒
水疱形成
蜂巣炎
丹毒
リンパ管炎
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
筋壊死
壊死性筋膜炎
橙皮状皮膚
化膿性筋炎
皮膚感染症
聖Anthonyの火

臨床像  
    丹毒は,下肢や顔面に好発する表在性の皮膚感染症であり,一般に誘引となる創傷や皮膚病変は認められない.炎のように強く発赤した有痛性の硬結として現れ,その境界は隆起し非常に明瞭である.時としてオレンジの皮のようなあばた状の外観を呈することもある(橙皮状皮膚,168.1).一方,蜂巣炎では,皮下結合組織が侵され,境界は不明瞭で周囲へ広がっている.この深部の感染症は,疼痛と圧痛,熱感と浮腫が特徴で,患部の皮膚は明るい赤色ないしは桃色に見える(図168.2).蜂巣炎はあらゆる部位に生じうるが,下肢,顔面,足および手に好発する.リンパ管炎では硬結はごく軽度であり,リンパ管に沿って上行する線状の紅斑が明瞭である(168.3).
     
    これらの比較的表在性の皮膚感染症(168.4)は,擦過傷や異物の存在等の軽微な外傷が先行していることが多く糖尿病,薬物依存,アルコール依存症,免疫抑制,血管不全,リンパ流閉塞といったリスクを有する患者により多くみられる.膿瘍や他の皮膚障害(例:足白癬,膿痂疹,毛嚢炎)に合併することもある.明確な原因が認められないこともしばしばある.これらの皮膚感染症のいずれかに罹患すると,感染部位の付近で圧痛を伴うリンパ節腫脹を呈することがある.全身症状(発熱,悪寒戦慄,倦怠感)を示す場合もある.
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