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著者:Daniel Ackil and Nicholas J. Koch
翻訳:大澤亮匡(湘南鎌倉総合病院 救急科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
急性期医療における裂肛の初期評価と管理について説明する.
 
キーワード
急性表在裂
肛門裂傷
肛門痛
肛門裂傷
前肛門裂傷
排便痛
正中肛門裂傷
後肛門裂傷
一過性直腸痛
肛門掻痒症
直腸出血
直腸痛
センチネルパイル

臨床像  
    ほとんどの患者において,症状が非常に特徴的であるため,ほぼ診断可能である.痛みの発症様式として,排便中または排便後に発生することが多く,通常は大きく硬い排便が通過した後,または非常に多量の下痢の後に起こることが多く,その後の排便に伴い激しい痛みを訴える.特徴として,ナイフのようなもの,切り裂かれるようなもの,引き裂かれるようなものと表現される.この痛みは数分~数時間持続することがあり,強くズキズキする性質の後,次の排便の前に比較的和らぐことが多い.これらの症状の前に便秘が先行することが多い.時には下痢や,便秘と下痢が交互に起こることもある.
     
    排便に随伴して鮮紅色の出血が起こることもあるが,たいていの場合わずかな量にとどまり,トイレットペーパーに少し垂れる程度である.粘液性の分泌物により,会陰部が湿り,かゆみを引き起こすことがある.肛門を観察すると,95%が6時方向(後壁側)に放射状の裂傷または潰瘍を認める(0時方向[前壁側]は女性では10%,男性においては1%程度にとどまる)(図66.1).この状態が慢性化すると(8週間を超える),裂傷より遠位の皮膚は浮腫状となり肥大し,見張りイボとよばれる線維性の突起物を形成することがある.
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