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Part 9 > 第114章 外側上顆炎と内側上顆炎(テニス肘,ゴルフ肘)

著者:Katherine Dolbec and Joe Ravera
翻訳:清水宏康(清水クリニック)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
外側上顆炎および内側上顆炎(テニス肘とゴルファー肘はそれぞれ)は肘痛の頻度の多い原因であり,通常は酷使することで起こる.詳細な職業歴と活動歴を取得し,内側上顆,外側上顆いずれかの圧痛点を評価する.ほとんどの症例は活動強度の修正指導により保存的に治療できる.ルーチンのX線検査および固定は推奨されない.重症例では,ステロイド注射によってある程度の疼痛緩和が得られる可能性があるが,腱自体を注射してしまうと脆弱性や断裂の可能性があるため,注意しなければならない.
 
キーワード
カウンターフォースブレース(抗力装具)
肘の痛み
肘の腱の過剰使用
ゴルファー肘
外側肘腱炎
外側上顆炎
内側肘腱炎
内側上顆炎
テニス肘

臨床像  
    上腕骨外側上顆炎では,患者は前腕の外側面にしばしば放散する肘関節の外側の疼痛を訴える.外側上顆は手関節伸筋の骨性起源であるため,患者は通常,テニスや機械的作業等,反復的な手関節の伸展を必要とする活動をしている.その部位に受傷したことを思い出すことができる場合もあるが,多くの場合は徐々に,気づかないうちに疼痛が出現する.ほとんどの患者は,手関節伸筋と回外筋を緊張させる活動をするとき,特に重い物を強く握ったり持ち上げたりするときに症状が出現すると訴える.カップ等の軽い物を持つことさえ困難な場合がある.外側上顆のすぐ前方の前内側遠位にある短橈側手根伸筋の起始部を触診すると圧痛がある.肘関節を伸展,または前腕を回内して,手関節の伸展に抵抗を加えると,圧痛がより顕著になる.
     
    上腕骨内側上顆炎の患者は,内側上顆と前腕近位部に疼痛を訴える.疼痛は,前腕の内側面に放散することがある.内側上顆炎は,前腕回内と手関節の屈曲を反復する活動と関連している.内側上顆炎は野球のピッチャーによく起こり,また,ゴルフ,テニス,ボウリング,ラケットボール,アーチェリー,重量挙げ,やり投げ等のスポーツとも関連がある.大工仕事,配管工事,食肉切断処理等のような職業でも生じる.発症は通常,気づかないうちに起こるが,誘因となるイベントがあることもある.患者は,強く握れないことや,手関節の屈曲と回内を繰り返すと疼痛があると訴えることがある.円回内筋と橈側手根屈筋における起始部の内側上顆のすぐ前方を触診すると圧痛がある.肘関節を伸展した状態で,手関節の屈曲と前腕の回内に抵抗を加えると症状が再現される.
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