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Part 3 > 第37章 滲出性中耳炎:漿液性(分泌性)中耳炎(耳管粘液閉鎖)

著者:Katie M. Wells and Deborah Governale
翻訳:水谷裕之(名古屋掖済会病院 救急科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
成人では上気道感染後,急性中耳炎(acute otitis media:AOM)後,飛行機搭乗後,アレルギー症状があるとき等に,耳閉感がある,中耳内圧を均一化できない,聴力が低下,特に頭を動かしたときのクリック音やポップ音を訴えることがある.痛みや圧痛はほとんどない.滲出性中耳炎(OME)は,耳を引っ張ったり,聴力低下の徴候(注意を払わない,大声で話す,テレビの近くに座る)がある以外は,通常,子どもでは無症状である.この場合,治療の必要はなく,経過観察となることが多い.
 
キーワード
自動通気
クリック音またはポップ音
耳詰まり
耳だれ
のり耳
難聴
注意不足
滲出性中耳炎
薬剤性鼻炎
分泌性中耳炎
漿液性中耳炎
大声で話すこと
鼓膜内ニボー
鼓膜内気泡
耳を引っ張る
鼓膜チューブ挿入
片側OME

臨床像  
    成人では上気道感染後,急性中耳炎(acute otitis media:AOM)後,飛行機搭乗後,アレルギー症状があるとき等に,耳閉感がある,中耳内圧を均一化できない,聴力が低下,特に頭を動かしたときのクリック音やポップ音を訴えることがある.痛みや圧痛はほとんどない.滲出性中耳炎(otitis media with effusion:OME)は,耳を引っ張ったり,聴力低下の徴候(注意を払わない,大声で話す,テレビの近くに座る)がある以外は,通常,子どもでは無症状である.耳鏡で観察すると,鼓膜が後退していて,耳小骨がはっきり見え,光錐は不明瞭~正常で,充血があったとしてもごくわずかである.滲出性中耳炎の診断に最も適した検査は気密耳鏡検査であり,送気時の鼓膜の動きは悪い.ニボーや気泡が鼓膜を通して見えることがある(37.1).黄色または灰色を帯びた滲出液を伴い,透明性に欠けることがある(図37.2).聴力は低下し,Rinne試験で気導聴力が低下することがある(音叉の音が,骨導と空気が同等に聞こえる).
     
    AOM(第36章を参照)でみられるような,疼痛,発熱,炎症,鼓膜の膨隆はないことが重要である.
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