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著者:Katherine Dolbec and Joe Ravera
翻訳:大野孝生(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
鎖骨骨折は,自転車やスキーでの転倒やコンタクトスポーツ等,肩に直接的な外力を受けることで発生するのが一般的である.鎖骨の長さと肩周辺の構造を注意深く検査する必要がある.圧痛があるのが一般的で,明らかな変形がある可能性もある.皮膚を慎重に調べる際には,開放骨折(小さな穿孔であっても)の徴候や皮膚がテント状に挙上しているか,放置すると皮膚が損傷する可能性があるかどうかを評価する必要がある.これらが存在する場合は,速やかな整形外科的評価が推奨される.骨折の位置とタイプを診断するためにX線検査が必要である.鎖骨近位部と遠位部の骨折はそれほど頻度は多くなく,管理には微妙な違いがある.診断した場合は,整形外科との相談が推奨される.テンティングのない鎖骨中央部骨折の患者は,通常,三角巾を装着し1~2週間以内に整形外科の評価を受けるように指示する.8の字固定は,もはや一般的には推奨されない.
 
キーワード
AC損傷
癒着性関節包炎
鎖骨骨折
五十肩
鎖骨開放骨折
振り子運動
関節可動域訓練
肩の損傷
胸鎖関節損傷
テンティング

臨床像  
    肩から倒れたり,頻度は少ないが腕を伸ばして倒れたり,鎖骨に直接打撃を受けた後,肩の前方に疼痛を訴える.鎖骨遠位部骨折の場合,患者は肩の上部に痛みがあると訴えることもある.腫脹,擦過傷,斑状出血を伴う骨の変形が生じることがある.これは通常,鎖骨の中央部に見られ,触診すると非常に強い疼痛を生じる.変形は鎖骨遠位部骨折を伴う肩鎖(AC)関節離開に似ていることがあるが,圧痛は通常,AC損傷よりも鎖骨に沿って内側にある(第95章を参照).患側の肩は健側の肩に比べて内下方に下垂して見えることがあり,患者はよく腕を内転させ体に近づけて支えている.鎖骨上神経の分布に異常感覚が生じることがある.
     
    乳児や幼児が,転倒後に腕が動かなくなったと受診する際,腕の検査は正常であるが,鎖骨をさらに検査して初めて実際の損傷部位が明らかになることもある.
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