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著者:Mark Bisanzo and Kurt Eifling
翻訳:大前奈菜(東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
蕁麻疹は,強いかゆみを伴う皮膚病変を特徴とし,一過性であり,身体のどこにでも起こりうる.気道病変(血管浮腫)がないと仮定すると,治療は主に症状の緩和と曝露源の特定に重点が置かれる.
 
キーワード
ACE阻害薬誘発性血管浮腫
急性蕁麻疹
アレルギー性発疹
アレルギー反応
アナフィラキシー
血管性浮腫
慢性蕁麻疹
寒冷誘発性蕁麻疹
接触蕁麻疹
皮膚描記症
食物性アレルギー
遺伝性血管性浮腫
蕁麻疹
特発性蕁麻疹
掻痒性発疹
難治性アナフィラキシー
蕁麻疹様血管炎
膨疹

臨床像  
    患者は一般に,激しい掻痒から強い不快感を訴える.同様のエピソードを以前に経験していることがあり,その場合はすでに増悪因子(ハチやヒアリによる刺傷,食品,薬物)がわかっていることが多い.多くの場合,患者は発疹のみを呈する.時に,唇,顔,手,陰部等に非圧痕性の浮腫性腫脹(血管浮腫)を伴う.より重篤な症例では,腹痛と嘔吐(特に原因となるアレルゲンを摂取した場合),喘鳴,喉頭浮腫,血行動態破綻等を伴うことがある(アナフィラキシー).
     
    病変は身体のどこにでも発生する可能性がある.蕁麻疹の皮疹は,境界明瞭で紅斑に囲まれたわずかに隆起した膨疹で,円形か,不完全な輪状で現れる傾向がある(185.1,図185.2,図185.3,図185.4).各皮疹は一過性で,8~12時間以内に消失するが,別の部位に新たな病変が生じることもある.短時間であってもこれらの特徴的な膨疹が身体のさまざまな部位に現れたり消えたりするのは,珍しいことではない.浮腫の中心部は周囲の紅斑部と比較すると色が薄いことがある.これらの発疹は,アレルゲンへの曝露の直後に生じることもあれば,数日遅れて生じることもある.食品や薬物に対するアレルギー反応は通常は1~3日で自然治癒するが,交差反応性物質に繰り返し曝露することで再発する.一部の薬物反応では蕁麻疹は1~3週間続くことがある.
     
    接触性蕁麻疹(ラテックス等のアレルゲンと皮膚が接触することで,接触部位に蕁麻疹が発生する)では,血管浮腫や重度のアナフィラキシーを伴うこともある(162章を参照).
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