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著者:Mark Bisanzo and Kurt Eifling
翻訳:井上敦人(東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
救急医療従事者は,主訴であれ付随所見であれ,寄生虫関連の皮膚感染症の患者を日常的に診察する.疥癬(ヒトヒゼンダニ)による皮膚感染症を特定して治療するための臨床的アプローチについて説明する.
 
キーワード
疥癬
ダニ類
ノルウェー疥癬

臨床像  
    疥癬患者は激しい掻痒の結果,眠れなくなり救急外来を受診する.この疾患の特徴である重度の掻痒は,理由は不明であるが夜間に強くなる.こうした患者には,疥癬トンネルとよばれる皮膚病変がある.疥癬トンネルは長さ約2~3 mmに及ぶ隆起した灰色の糸状で蛇行した皮膚病変である.疥癬トンネルの先端に小丘疹や小水疱が出現することもあれば,これらのみが単独で生じる場合もある(179.1).これらの丘疹や疥癬トンネルは,主に指間部(図179.2)に見られる他,手首の掌側,腋窩,肘頭部,乳頭,ウエストライン,性器,殿裂等にも見られる(図179.3).女性の乳頭掻痒は,病歴上有用な手がかりとなる.亀頭の掻痒を伴う紅斑性丘疹は,男性の疥癬感染の特徴である(図179.4).頭頸部は通常侵されないが,疥癬の病変は顔面や頭皮を含めて全身(図179.5)に発生しうる.乳幼児では,手掌や足底に小水疱や膿疱の病変が生じることもある.二次性の細菌性感染がみられることもある.高齢者の疥癬は皮膚病変が非常に軽微であることが多く,診断が困難になることがある.
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