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著者:Mark Bisanzo and Kurt Eifling
翻訳:後藤大輔(東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
救急医療の現場で見られるバラ色粃糠疹について,実践的な見地から説明する.
 
キーワード
クリスマスツリー状
クリスマスツリー状発疹
発疹
ヘラルドパッチ
バラ色粃糠疹
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妊娠
前駆症状
瘙痒

臨床像  
    本疾患の患者は,初めは1つだけ出現した皮疹が急に広がったために不安になって救急外来を受診することが多い.この皮疹はヘラルドパッチとよばれ全身のどの部位にでも発生する可能性があるが,典型例では体幹に発生し,直径2~6 cmの卵円形で,軽度の紅斑を伴い,わずかに隆起した鱗屑性局面で,辺縁部には鱗屑がある(177.1).側腹部や背部に出現したヘラルドパッチは気づかれないこともある.数日ないし数週間は変化なく経過した後に,多数の小さな(0.5~2 cm)淡紅色の卵円形の隆起した斑や局面からなる発疹が全身に現れる.この皮疹は表面は粗雑であり,ヘラルドパッチと同様に辺縁部には細かな鱗片を伴っている(177.2).通常は体幹に分布し(顔面,手,足は侵されない),卵円形の病変の長軸が皮膚割線(Langer線:肋骨に平行する)方向と一致するために,典型的な“クリスマスツリー”状の外観を呈するので,この所見があれば診断の決め手となる(図177.3).
     
    この疾患は無症状のこともあれば,さまざまな程度のかゆみを伴うこともある(25%の患者で軽度から重度の掻痒がある).バラ色粃糠疹(pityriasis rosea:PR)の発疹期には,典型例では全身症状はみられない.病変は徐々に拡大し,互いに融合することもある.自然経過では,発疹は6~8週間持続し,その後は完全に消失する.最終的に発疹が自然消失するまでは一時的に悪化や再燃するのも珍しくないが,病変が消失した後の再発はまれである.
     
    皮膚が褐色ないし浅黒い患者の場合には,バラ色粃糠疹の外観は著しく異なることがある.ヘラルドパッチやそれに続発するびまん性の発疹が灰色や暗褐色,さらには黒色を呈することがある.病変が消失した後には,色素沈着や色素脱失を残すこともある.
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