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著者:Philip M. Buttaravoli and Kevin J. Brochu
翻訳:岡翔(済生会滋賀県病院 救急集中治療科,京都府立医科大学 救急医療学教室)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
爪囲炎は手に生じる感染症の中で最もよく目にする疾患であるが,温水での洗浄と膿瘍ドレナージにより保存的に治癒が望める.抗菌薬の全身投与が適応となることはほとんどない.このよくあるマイナーエマージェンシーの診断とマネジメントについて説明する.
 
キーワード
急性爪囲炎
慢性爪囲炎
排膿方法
瘭疽
手指膿瘍
手指感染症
ヘルペス性瘭疽
爪郭感染症
爪囲炎
爪下膿瘍
穿孔術

臨床像  
    患者は,数時間または数日の間に急速に進行した手指またはつま先の痛みを呈する.この痛みには,爪郭の発赤と圧痛のある腫脹を伴うか(148.1A),そうでなければあまり発赤や圧痛のない腫脹を伴うか,もしくは肉芽組織が発達し慢性経過のように見えることもある(図148.1Bを参照).爪囲炎は女性の方が頻度ははるかに多く,それは美容上の理由で爪や上爪皮に何らかの手を加えることが原因である可能性が高い.
     
    爪は外側,内側,近位の爪郭に囲まれている.巻爪やさかむけ,軽い怪我といった損傷が爪郭に生じると,細菌が組織に侵入してしまう.これにより局所の軟部組織感染が生じるが,必ずしも膿瘍を形成するわけではない.
     
    慢性爪囲炎で受診することもあり,たいていは仕事中に生じる化学物質への曝露が原因である.慢性爪囲炎はマイナーエマージェンシーとはみなされていない.そのため,本章では治療に関する説明を省略する.慢性爪囲炎の患者は,より高度な外科的処置が必要となる可能性があるため,手または足の専門医に紹介する.また,扁平上皮がんも同様の外観を呈することがある.
     
    爪甲下で急性に感染が拡大すると爪下膿瘍(148.1Cを参照)となる.
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