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著者:Daniel Wolfson and Nathaniel Moore
翻訳:福本綾香(熊本赤十字病院 救急科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
顎関節症について説明する.患者は,局在が判然としない顔面痛,頭痛,下顎の動きに伴う疼痛,顎のクリック音,神経学的訴え等,さまざまな症状を呈する.臨床所見は,咀嚼筋,外耳道,または顎関節自体の圧痛や開口制限または開口時の側方偏位があるが,神経学的には異常所見はみられない.疼痛の他の原因を除外したうえで治療はNSAIDsの内服,柔らかい食事の摂取や疼痛部分を温めたり冷やしたりすることを指示し,歯科医によるフォローアップを行う.
 
キーワード
開口部の痛み
顎関節症
顎関節
TMJ
TMJ関節炎
TMJ症候群

臨床像  
    患者は通常,厳密な解剖学的分布に合致していないと思われる非限局的な顔面痛または頭痛を訴える.疼痛は一般的に鈍く片側性であり,眼の上部および後方,耳の内部および周囲に集中する.疼痛は,下顎の咀嚼および他動的な動きに伴って生じることもあり,顎関節の不安定性,捻髪音(crepitus),または顎の動きに伴う弾発音(clicking)を伴うこともある.しばしば耳痛と表現される.
     
    その他,あまり目立たない症状として,頸動脈鞘への放散痛,耳鳴り,めまい,聴力低下,瘙痒,副鼻腔症状,外耳道の異物感,三叉神経痛,後頭神経痛,舌咽神経痛等がある.
     
    患者は以前に片頭痛,副鼻腔炎,再発性外耳炎と診断されていることもある.素因としては,不正咬合,外傷,最近の広範な歯科的処置,歯ぎしりの習慣(bruxism)等があり,いずれも顎関節に過度なストレスを与える.
     
    身体所見としては,咀嚼筋,外耳道,顎関節自体の圧痛や,開口制限または開口時の側方偏位等があるが,神経学的所見は正常である.
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