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著者:Daniel Barkhuff and Skyler Lentz
翻訳:飯塚功諭(倉敷中央病院 救急科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
結膜炎は充血や眼脂がみられる患者で最も一般的な診断である.一般的な原因としてウイルス性やアレルギー性,細菌性,化学性等がある.治療は原因によって異なるが,対症療法や外用薬が用いられることが多い.
 
キーワード
結膜炎
眼脂
充血

臨床像  
    結膜炎は充血と眼脂がみられる患者で最も一般的な診断であるが,すべての充血が結膜炎によって生じるわけではない.細菌性結膜炎では充血や眼球の刺激感および異物感,一日中続く多量の膿性眼脂,起床時の眼瞼の痂皮等を訴える(14.1).多くは片側性である.ウイルス性結膜炎では同様の不快感や灼熱感を訴え,流涙や耳前リンパ節腫脹,上気道感染の症状を伴うことがある(図14.2).一方で,アレルギー性結膜炎では掻痒感が多くの訴えであり,軽微な結膜充血や季節性の再発,および眼瞼結膜の敷石状肥大や強膜を覆う泡状の結膜浮腫を伴うことがある(14.3).通常は眼症状に加えて鼻症状を伴い,眼アレルギーの診断を裏付ける他のアレルギー疾患が病歴に存在することもある.角膜に近づくほど薄くなる結膜全体の充血が一般的である(限局性の炎症は異物や睫毛内反,上強膜炎,ウイルス性または細菌性の潰瘍等,他の診断を示唆する).
     
    視力および瞳孔の反射は正常で,角膜や前房に異常はみられない.不快感は局所麻酔液の点眼により一時的に軽減される.
     
    起床時にはほとんど無症状だが,日中に不快感が増悪する場合はドライアイの可能性が高い.睡眠中に開眼すると角膜が露出して乾燥するため,充血や刺激感が生じ朝方に悪化する.
     
    粒子や溶液,蒸気,環境または職業上の刺激物によって引き起こされる物理的および化学的な結膜炎は,病歴から診断する必要がある.
     
    深部痛や局所麻酔液の点眼で緩和されない痛み,突然発生した激しい痛み,羞明,嘔吐,視力低下,角膜周辺部で顕著な充血(毛様充血.14.4)は,角膜潰瘍や角膜炎,急性閉塞隅角緑内障,ぶどう膜炎等の角膜または眼球の内部構造に起因する重篤な疾患を示唆するため,速やかな眼科専門医への診察依頼が必要となる.
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