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Part 1 > 第11章 血管迷走神経性失神,神経心原性失神,神経調節性失神

著者:Evie Marcolini and Matthew S. Siket
翻訳:小川健一朗(名古屋掖済会病院 救急科)
監訳:渡瀬剛人(藤田医科大学病院 救急医学・総合内科学講座)
 
概要
血管迷走神経性失神を経験した患者に対するアプローチでは,意識消失に深刻な背景疾患がないか注意を払うことが重要である.
 
キーワード
短時間の意識喪失
Brugada症候群
カナダ失神リスクスコア
気が遠くなる
気が遠くなる発作
意識の消失
神経調節性失神
血管迷走神経性失神
前失神
気絶
失神性痙攣
失神
ティルトテーブル検査
血管迷走神経イベント
血管迷走神経性失神

臨床像  
    患者は一時的な意識消失に先立ち,ふらつき感,熱感,吐き気,気が遠くなる感覚を経験する.これは脱力や発汗を伴う場合と伴わない場合がある.さらに,患者は耳鳴りや視野狭窄を経験する場合と経験しない場合がある.
     
    まず,悪い知らせ,動揺するような光景,苦痛を伴う処置等,何らかのストレスのかかる出来事を予期して,脈拍や血圧の上昇を伴った交感神経の緊張が生じる.ストレスの発生直後または発生中に,交感神経の興奮が急激に低下したり,副交感神経が優位になったりして,末梢血管の拡張や徐脈,またはその両方が起こり,低血圧につながり,患者は姿勢を維持する力を失い,転倒し,意識を失う.
     
    患者が水平姿勢になると,数秒以内に正常な皮膚の色,正常な脈拍,意識が戻る.この時間は,患者が座位を維持している場合,延長されることがある.
     
    血管迷走神経性失神には,一過性の徐脈と,わずかなミオクローヌスや強直性痙攣(失神性痙攣)を伴うことがあるが,持続性の発作,失禁,舌咬傷(側面),動悸,不整脈,転倒による軽度の挫傷や裂傷以外の損傷はない.通常,患者は短期間で自然に回復し,後遺症もなく,失神に至るまでの出来事を思い出すことができる.
     
    すべての過程は救急外来や診療所で起こることもあれば,患者が他の場所で失神することもあり,その場合の診断上の課題は,失神の他の原因を除外するために失神のエピソードの情報を集めることである.
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