Legg-Calvé-Perthes病(以下,Perthes(ペルテス)病)の原因は不明であるが,多くの論争を引き起こしている.以前は,遺伝性血栓性素因が大腿静脈の血栓性静脈閉塞を促進し,大腿骨頭の骨壊死を引き起こし,最終的にPerthes病に至ると考えられていた.しかし最近の研究では,遺伝性の凝固亢進やプロテインC活性の欠乏は発見されておらず,遺伝性血栓性素因はPerthes病における骨壊死とは関連していないことが示されている.研究は続けられているが,凝固異常はPerthes病の決定的な病因ではないようである.HosalkarとMulpuriが指摘しているように,100年経過してもPerthes病の病因は不明であり,その治療法についてもまだ議論の余地がある.