著者:G. Andrew Murphy
翻訳:村田浩一(京都大学リウマチ性疾患先進医療学)
編集:松田秀一(京都大学大学院医学研究科・整形外科)
多くの整形外科医が,高い失敗率と合併症率のために人工足関節置換術を断念したが,足関節炎に対する足関節固定術に代わる治療法の模索が続いており,再び関心が高まっている.足関節の解剖学的構造および運動学的構造により適合した最新のデザインの開発,技術および器具の改良,ならびにコンポーネント固定のための生体へのingrowth材料導入により,人工足関節全置換術(TAA)のデザイン,技術,および転帰を評価する多くの研究が行われるようになった.これらの研究の結果は,多くの疾患に対する従来の足関節固定術の代替としてのTAAの使用の増加となった.外科医がこの技術に習熟するにつれ,特に外傷後関節炎や変形性関節症の患者において,TAAの頻度は過去10年間で劇的に増加した.