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Part 12 > Chapter 37 脊柱への解剖学的進入法

著者:Raymond J. Gardocki
翻訳:森田圭則(名古屋大学大学院医学系研究科・整形外科学)
編集:今釜史郎(名古屋大学大学院医学系研究科・整形外科学)

脊柱の解剖  
    脊柱は,5つの部分(頚椎7個,胸椎12個,腰椎5個,仙椎5個,尾骨4個)に分かれた33の椎骨からなる(図37.1).仙椎と尾骨は癒合しており,一般的には24の可動部がある.先天異常および分節の破格がよくみられる.立位では頚椎と腰椎は前弯を呈する.胸椎と仙椎は,子宮内での後弯姿勢を維持し,胸郭と骨盤帯の連結部として機能する.一般に,各椎体は頭側から尾則にいくにつれてサイズが増大する.椎骨は,脊柱管を取り囲む椎体と椎弓からなる.椎弓は,外側の2本の椎弓根と後方の2本の椎弓板から構成され,これらは結合して棘突起を形成する.椎弓の両側に横突起と上下関節突起がある.関節突起は隣接する椎骨と連結し滑膜関節を形成する.関節突起の向きは,脊柱の各部分の屈曲,伸展,回旋の程度を反映する.棘突起と横突起は,それらに付着した多数の筋のレバーの役割を果たす.脊柱の長さは男性で平均72 cm,女性では7~10 cm短い.脊柱管は脊柱の全長にわたって伸び,脊髄,脊髄円錐,馬尾を保護する.
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