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Part 19 > Chapter 82 母趾の病気
キャンベル整形外科手術書 原著第14版(日本語版)
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はじめに
表紙
Copyright
Dedication
Contributors
Preface
監訳者序文
免責事項
Part 1
Chapter 1 手術手技
Chapter 2 整形外科における高度な画像診断
Part 2
Chapter 3 股関節形成術
Chapter 4 表面置換型人工股関節置換術
Chapter 5 股関節固定術
Chapter 6 若年成人における股関節痛と股関節温存手術
Part 3
Chapter 7 膝関節形成術
Chapter 8 膝関節固定術
Chapter 9 膝関節軟部組織処置と骨切り術
Part 4
Chapter 10 人工足関節全置換術
Chapter 11 足関節固定術
Part 5
Chapter 12 肩・肘関節の関節形成術
Chapter 13 肩と肘のサルベージ手術
Part 6
Chapter 14 切断術の一般原則
Chapter 15 足の切断
Chapter 16 下肢の切断
Chapter 17 大腿四頭筋切断術
Chapter 18 上肢の大切断
Chapter 19 手の切断
Part 7
Chapter 20 感染の一般原則
Chapter 21 骨髄炎
Chapter 22 感染性関節炎
Chapter 23 結核とその他まれな感染症
Part 8
Chapter 24 腫瘍の基本原則
Chapter 25 良性骨腫瘍と骨腫瘍に類似した非腫瘍性疾患
Chapter 26 良性/悪性骨腫瘍
Chapter 27 骨の悪性腫瘍
Chapter 28 軟部腫瘍
Part 9
Chapter 29 下肢の先天異常
Chapter 30 股関節・骨盤の先天性・発育性異常
Chapter 31 体幹と上肢の先天異常
Chapter 32 骨軟骨症,骨端症,その他の諸症
Part 10
Chapter 33 脳性麻痺
Chapter 34 麻痺性疾患
Chapter 35 神経筋疾患
Part 11
Chapter 36 小児の骨折と脱臼
Part 12
Chapter 37 脊柱への解剖学的進入法
Chapter 38 頚椎の変性疾患
Chapter 39 胸椎および腰椎の変性疾患
Chapter 40 脊椎すべり症
Chapter 41 脊椎の骨折,脱臼,骨折-脱臼
Chapter 42 脊椎の感染症と腫瘍
Chapter 43 小児頚椎
Chapter 44 脊柱側弯症と脊柱後弯症
Part 13
Chapter 45 膝の外傷
Chapter 46 転倒・転落による肩・肘のけが
Chapter 47 反復性脱臼
Chapter 48 外傷性疾患
Part 14
Chapter 49 関節鏡の一般原則
Chapter 50 足部と足関節の関節鏡手術
Chapter 51 下肢の関節鏡
Chapter 52 上肢の関節鏡検査
Part 15
Chapter 53 骨折治療の一般原則
Chapter 54 下肢骨折
Chapter 55 股関節の骨折と脱臼
Chapter 56 股臼・骨盤骨折
Chapter 57 肩,腕,前腕の骨折
Chapter 58 骨折変形癒合
Chapter 59 骨折の遷延癒合と偽関節
Chapter 60 急性脱臼
Chapter 61 陳旧性脱臼
Part 16
Chapter 62 末梢神経損傷
Part 17
Chapter 63 マイクロサージャリー
Part 18
Chapter 64 基本的な手術手技と術後管理
Chapter 65 手の急性外傷
Chapter 66 屈伸筋腱損傷
Chapter 67 手と手関節の骨折,脱臼,靱帯損傷
Chapter 68 手と手首のレベルでの神経損傷
Chapter 69 手関節障害
Chapter 70 特殊な手の病気
Chapter 71 麻痺手
Chapter 72 手の脳性麻痺
Chapter 73 手関節炎
Chapter 74 コンパートメント症候群とVolkmann拘縮
Chapter 75 Dupuytren拘縮
Chapter 76 手首と手の狭窄性腱鞘炎
Chapter 77 手・前腕・肘の圧迫神経障害
Chapter 78 手の腫瘍および腫瘍類似疾患
Chapter 79 手の感染症
Chapter 80 手の先天異常
Part 19
Chapter 81 手術手技
Chapter 82 母趾の病気
ページトップ
外反母趾(バニオン)
術前評価と管理
術後の注意事項
軟部組織の処置
McBride変法バニオン切除術
軟部組織と骨の複合手技
Keller切除関節形成術
第一中足骨遠位骨切り術
遠位chevron中足骨骨切り術
chevron遠位中足骨骨切り術変法
chevron骨切り術Johnson変法
大きく変位させるための,遠位chevron骨切り術
chevron-Akin二重骨切り術
Chevronバニオン切除術
低侵襲骨切り術
低侵襲chevron-Akin骨切り術
第一中足骨の近位骨切り術
遠位軟組織解離併用による近位半月状骨切り術
scarf骨切り術
Ludloff骨切り術
近位楔開き骨切り術および遠位chevron骨切り術
内側楔状骨切り術
基節骨近位骨切り術
Akin法
三重骨切り術
第一中足趾節関節固定術
小さなプレートによる第一中足趾節関節の関節固定術
ロープロファイル輪郭付き背側プレートと圧迫スクリュー固定による第一中足趾節関節の関節固定術
第一中足趾節関節の円錐状関節固定術
第一足根中足関節固定術(Lapidus法)
プレート固定による第一足根中足関節の関節固定術(Lapidus法)
■特殊な症例
若年や青年の外反母趾(10歳~19歳)
二重第一中足骨骨切り術
Peterson変法
内側楔状骨骨切り術
外反母趾術後の合併症
First webの解離,外側解離,関節包の再縫縮(外反母趾角30度未満,第一第二中足骨間角15度未満)
遠位中足骨骨切り術による矯正
chevron骨切り術後の変形癒合
中足骨短縮のための創外固定を用いた骨形成術
単一面(静的)内反母趾変形の補正
中足骨遠位骨切り術,腱移行を伴わない内側関節包解離術
母趾趾節間関節の関節固定術を伴う長母趾伸筋の移行
短母趾伸筋腱固定術
強剛母趾
保存療法
手術療法
CHEILECTOMY術
強剛母趾に対する遠位斜骨切り術
中足趾節関節V字切除術(Valenti手術)
基節骨伸展骨切り術
種子骨の状態
種子骨切除
外側種子骨切除術:足底アプローチ
IP関節関節炎
参照文献
補足参照
Chapter 83 腱・筋膜の障害,思春期・成人期の扁平足
Chapter 84 小足指異常
Chapter 85 足の関節炎
Chapter 86 糖尿病足
Chapter 87 神経原性疾患
Chapter 88 爪の障害
Chapter 89 足の骨折と脱臼
Chapter 90 足首のスポーツ傷害
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著者:G. Andrew Murphy
翻訳:軽辺朋子(聖マリアンナ医科大学整形外科学講座),秋山唯(聖マリアンナ医科大学整形外科学講座)
編集:仁木久照(聖マリアンナ医科大学整形外科学講座/聖マリアンナ医科大学病院整形外科,人工関節センター,リウマチ・膠原病生涯治療センター)
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外反母趾(バニオン)
外反母趾(母趾の側方偏位)は,その名が示すような単一の疾患ではなく,母趾列が複雑に変形し,しばしば第二~第五趾に変形と症状を伴う.第一中足骨と第二中足骨の骨軸のなす角度は正常の上限である8~9度より大きく,第一中足趾節関節の外反角度も正常の上限である15~20度より大きい(
図82.1
).通常,第一中足趾節関節の外反角度が30~35度を超えると母趾の回内が生じる.母趾外転筋は正常では第一中足趾節関節の屈曲-伸展軸に対して底側にあるが,この回内変形によりさらに底側に移動する(
図82.2
).内側を制御する唯一の構造は,種子骨関節包部(基節骨の基部に停止)および関節包基節骨部(蹠側板に停止)からなる内側関節包靱帯である.母趾内転筋は母趾外転筋に拮抗せず,母趾を外反方向に牽引し,内側関節包靱帯(特に種子骨関節包部)を伸展してこの構造を脆弱化させ,中足骨頭は種子骨上から内側へ移動する.さらに,短母趾屈筋,長母趾屈筋,母趾内転筋,および長母趾伸筋は中足趾節関節の外反モーメントを増大し,母趾列をさらに変形させる.横中足骨間靱帯は中足趾節関節で蹠側板の間を走り,中足骨頭には付着していない.最後に,第一中足骨頭底側の種子骨隆起(crista)は,内側種子骨からの圧迫で平坦化する(
図82.3
).これにより,外側種子骨は部分的または完全に第一中足骨間腔(
図82.1
を参照)に移動する.この状況において,母趾への荷重がより少なくなると,第二~五中足骨頭への荷重はより多くなり,中足痛,胼胝および第二~五中足骨の疲労骨折を伴うようになる.
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