著者:David R. Richardson
翻訳:山本哲也(Postdoctoral Associate, Department of Orthopaedic Surgery, University of Pittsburgh Medical Center, USA)
編集:仁木久照(聖マリアンナ医科大学整形外科学講座/聖マリアンナ医科大学病院整形外科,人工関節センター,リウマチ・膠原病生涯治療センター)
スポーツに参加することは,足や足関節の怪我につながる.しかし,アスリートでなくても,捻転,衝突,挫傷,反復性外傷を経験することがある.また,先行する外傷によって発症する疾患もある.病歴は非特異的で,症状は治まっている場合がある(例:足関節の軟骨軟化症または離断性骨軟骨炎).骨折や脱臼の他に,外傷は少なくとも3種類の関節障害を引き起こす:(1)関節破壊を伴う急性の重度靱帯損傷,(2)単発または反復的な「使い過ぎ」による軽度靱帯損傷(関節破壊は伴わないが関節に軽微な異常を認める),(3)既存の関節異常の悪化である.外傷に起因するものではないが,運動,レクリエーション,職業上の活動によって悪化する可能性のある関節障害については,第48章で説明する.