著者:Kevin B. Cleveland
翻訳:依田拓也(新潟大学整形外科)
編集:川島寛之(新潟大学整形外科)
多くの整形外科医は,切断は個人の機能回復の失敗と考えている.しかし,切断はリハビリテーションの開始と考えるべきである.上肢の大切断は,前腕遠位から腋窩近位に分類される.上肢の大切断は全切断の8%を占め,下肢の切断に比べて約20分の1である.今日,米国では10万人以上の人々が上肢大切断を抱えて生活している.上肢切断の最も一般的な原因は外傷であり,女性よりも男性の方がはるかに多い.肩関節離断術および前腕切断術は,悪性腫瘍に対してより一般的に行われる.
大部分の外傷性切断者は,再建手術の果敢な試みよりも切断の完了と早期の義肢装着からより大きな利益を得る.しかしながら,現在のところ義肢は感覚や心理的幸福をほとんどもたらさないため,多くの患者は可能であれば切断術よりも再接着術を好む.患者の約13%は切断後に重大な合併症を発症する.