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著者:Gregory D. Dabov
翻訳:黒田隆(京都大学大学院医学研究科・整形外科)
編集:松田秀一(京都大学大学院医学研究科・整形外科)
 
股関節の関節固定術はまれにしか行われず,適応は非常に限られている.機能スコアおよび患者の満足度を大幅に改善した人工股関節全置換術の進歩により,ほとんどの患者にとって股関節固定術は望ましくない選択肢となってきている.青年期の患者に対する人工股関節全置換術の良好な中期成績が報告されている.それにもかかわらず,多くの最近の文献レビューは,股関節固定術は慎重に選択された患者の治療においてには役割をもつとしている.以前は,股関節固定術の良い適応の患者は,可動域が悪く,痛みのある股関節炎を有する若く健康な労働者であった.医療資源が限られているか利用できない新興国では,関節固定は依然として有痛性股関節炎患者の主要な治療選択肢である.股関節固定を成功させるための内固定方法は,1930年代にWatson-Jonesらによって導入され,Charnleyによって改善された.しかし,これらの早期内固定法は,高い割合で骨癒合不全を生じ,長期の外固定と必要とした.関節固定術の安定性を得るために,Müllerは術後ギプス固定を必要としないダブルコンプレッションプレーティング法を開発した.シュナイダーはその後,術後固定を必要としないコブラヘッドプレートを開発した.股関節コンプレッションスクリューまたはキャンセラススクリュー単独等の他の内固定法は,特定の状況で使用されており,症例によっては有用な方法となっていた.

適応・術後成績