A,Kienböck病の一般的な骨折パターンはいわゆる前極型で,月状骨の前極が他の部位から分離する.有頭骨による圧縮力で生じる骨折部の伸延は,骨折が治癒する可能性を低下させる.橈骨茎状突起が骨折部間隙に重なっているため,詳細をX線写真で観察することはできない.月状骨背部がさらに圧潰すると,前極が掌側に押し出されることがある.B,このKienböck病の症例では第三中手骨の長さに対する手根骨高の比率が減少している.正常な手関節におけるこの比率は0.54 ± 0.03と報告されており,比率の有意な低下は手根骨全体の圧潰を示す.