zone II におけるStrickland法による屈筋腱修復.A,指を完全に屈曲した状態でのzone IIにおけるナイフによる裂創.B,指伸展後の同指における屈筋腱の退縮レベル.C,緑線は,屈筋腱腱鞘構造を広く露出させるための橈側および尺側の切開を示す.D,皮弁反転後の患指の屈筋腱腱鞘構造.この例では,C1十字滑車領域を通る裂創が発生している.損傷時の指の屈曲姿勢に起因する断裂した屈筋腱断端の近位および遠位の位置の違いに注意する.緑線は,修復する腱を露出させるため用いられる,十字滑膜性腱鞘の側方切開を示す.E,十字滑膜性腱鞘における小さな三角形のフラップを反転し,DIP関節を他動的に屈曲することによって,屈筋腱遠位端を創内に移動させることができる.深指屈筋腱および浅指屈筋腱の断端は,小型カテーテルまたは乳児栄養胃瘻チューブを用いてA1滑車の近位に引き戻す.F,ゲージの細い皮下注射針を横方向に刺入し,屈筋腱近位端を修復部位に保持し,続いて浅指屈筋腱のスリップを修復する.G,DIP関節を完全屈曲させた状態で両方の腱修復を完了する.H,DIP関節の伸展により,修復部は損傷のない遠位屈筋腱腱鞘の下に移動する.十字(C1)滑膜性滑車の修復を完了する.I,処置終了時の創修復.