A,関節窩の軌跡は,MRI矢状斜位像上で測定した実際の関節窩幅の84%として計算される.骨欠損前の予想幅を計算するために関節窩上に最良適合の円を置き,骨欠損の割合と関節窩の軌跡の両方を算出する.この症例では,実際の関節窩の幅は24 mmであり,骨量は4 mm(17%)欠損する.関節窩の軌跡は24 mmの84%,すなわち20.1 mmである.B,腱板のフットプリントからHill-Sachs病変の内側縁までの距離をMRI冠状断で測定する.この症例では,23.1 mmである.フットプリントまでのHill-Sachsの幅(23.1 mm)が関節窩の軌跡の測定値(20.1 mm)よりも大きいため,関節窩の軌跡のから外れ,嚙みこみを起こすリスクが高くなる.