A,テーパー型または逆カッティング半円針を用いた,連続ロッキング硬膜縫合による硬膜修復.細い縫合糸を使用すべきである.術野を脳脊髄液に浸さず,乾燥させた状態を維持しながら,神経根を保護するためには,吸引器と小型綿球による吸引が不可欠である.B,閉鎖には硬膜を1針ずつ縫合する方法を用いることもできる,その場合,縫合糸の両端は長く残す.2番目の針を糸の自由端に取り付け,糸の端を筋肉片または脂肪片に通し,それを修復した硬膜損傷部の上に縫い付け液が漏れ出ないようにする.硬膜の欠損が大きく,下にある神経組織を過度に圧迫することなく閉鎖できない場合は常に,筋膜,大腿筋膜の遊離移植片または凍結乾燥硬膜移植片を,硬膜損傷部の辺縁に,適切なサイズの糸で結節縫合により固定する.C,比較的到達しにくい部位の小さな硬膜欠損に対しては,経硬膜進入を用いて筋肉または脂肪の小片を内側から欠損部に引き出して,脳脊髄液の漏出を防ぐことができる.正中の硬膜切開部は十分に大きくして硬膜嚢から欠損部を展開しなければならない.露出するのに十分な大きさであるべきである.正中硬膜切開部は髄液漏がないように標準的な方法で閉鎖する.